2009年01月04日(日) 07時00分
朝青龍 全勝稽古始めで“優等生”アピール(スポーツニッポン)
大相撲初場所(11日初日、両国国技館)で進退が懸かる横綱・朝青龍(28=高砂部屋)が3日、東京・荒川区の武蔵川部屋で09年の初稽古を行った。朝青龍が新年最初の稽古を他の部屋で行ったのは初めてで、立ち合いの手つき不十分を注意される場面もあったが、幕内・雅山らと13戦して全勝。懸命のアピールで、武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)をうならせた。
稽古を終えた朝青龍に、武蔵川理事長が声をかけた。「左がついていなかったぞ」。朝青龍は稽古中に左手をつかないことが3回あったが、理事長直々の“物言い”には素直に頭を下げた。
前日来日したばかりにもかかわらず、珍しく迅速に行動した。稽古初めの場所に選んだのは何と武蔵川部屋。「年末から調子が良ければ行こうと思っていた。理事長もいらっしゃるしね」。この日は出羽海一門の連合稽古が行われたため、関脇・把瑠都ら10部屋から19人の関取が集結。絶好のアピールの場ととらえた朝青龍は申し合いで「鬼」となった。鋭い踏み込みで相手を圧倒し、豪栄道には痛めている左ひじからのエルボーをヒット。最後は248キロの山本山を羽目板まで吹っ飛ばし、13戦全勝で09年をスタートさせた。
これまでは部屋の稽古初めをすっぽかすことが多かっただけに、出稽古で始動するのは極めて異例。見守った武蔵川理事長は「凄く良かったね。出足が良かった」と切り出し「前へ攻めようという気持ちが出ていた。そういう気持ちが大事」と評価した。朝青龍は「緊張感があって、いい稽古ができた。これからペースを上げていくしかない」と満足げ。稽古後は東京・神田神社(明神)を訪れ、初場所の必勝を祈願。「神田明神の力は素晴らしいからね。健康で元気よく。元気があれば何でもできる」と気持ちを高ぶらせた。
初稽古で綱の貫禄は示したものの、前途は必ずしも安泰とは言えない。課題のスタミナ面はこの日も2番取っただけで息が上がり、理事長も「腹は出ている気がする」と指摘する。復活への本当の闘いはこれからが本番かもしれない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090104-00000041-spn-spo