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2009年01月04日(日) 13時01分

井戸知事:震災から14年、引き継ぐ教訓 シンポなど取り組み強化 /兵庫毎日新聞

 井戸敏三知事は新年に合わせた毎日新聞のインタビューに応じ、阪神大震災から14年を迎える被災地の現状認識や県政の課題について考えを語った。震災の経験と教訓を伝える取り組みを強化する意向を示したほか、食の安全を揺るがす事件の多発を受け、消費者行政や生活の安全・安心をつかさどる庁内組織の設置を検討する考えを明らかにした。【聞き手・川口裕之】
 ◇緊急雇用経済対策進める
 ◇消費者の安全・安心へ行政組織の設置検討
 ——震災から14年となる現状をどう見る。
 人々の被災意識はだんだん薄れている。災害文化とは、自分たちの経験を大切に引き継ぐことも含まれる。2010年の震災15年に向けて、リレーシンポジウムをやろうとしているし、教訓を分かりやすくまとめている。
 また、学校耐震化も計画的に進めないといけないし、民間住宅も含めた耐震化を促進する必要がある。災害弱者や孤立集落対策は、一人一人の対策をプランにまとめ、実施できるようにすることが大事だ。
 また、(県西部の)山崎断層は地震の被害想定が、我々の想定より国の方が大きい。県の想定を見直すことにしている。被害想定に続く防災計画やソフト、ハードなど一連の再整備が必要になり、そのスタートを切りたい。被害想定は重要な見直し事項だ。
 ——復興宣言をするつもりは。
 復興過程は常に動いている。ステージによって、課題が変わる。終わったというのではなく、引き続きつなげていくことが大事だ。
 ——景気の低迷で県の当初予算編成も厳しいのでは。
 厳しい。ただ、県の税収が落ちる分の4分の3は交付税で埋められる。残る4分の1に特別な対応が必要。例えば県職員の給料をさらにカットできる状態ではない。基金や特別な地方債を活用するか。応急的な対応をせざるを得ない。
 ——08年はこれまで以上に食の安全・安心が問われた。
 国も消費者庁を検討している。消費者行政と生活の安全・安心をつかさどるような組織を検討する。対策本部や局・課など、これから議論する。
 ——7月末で2期目の任期が満了となる。
 残る7カ月間で緊急雇用経済対策をきちっと進め、新行革プランを軌道に乗せ、人口減少社会を見据えた新しい県の方向付けを明確にする。この3点は私の任期の間にめどを付けたい。
〔神戸版〕

1月4日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090104-00000154-mailo-l28