自民党内で麻生太郎首相への批判を強めている渡辺喜美元行政改革担当相は四日、首相が早期の衆院解散・総選挙や定額給付金撤回に踏み切らなければ離党も辞さないとの考えを表明した。
渡辺氏が自発的離党に言及したのは初めて。首相は四日の記者会見でも解散は〇九年度予算成立後の今春以降にする考えを重ねて示しており、党内では事実上の離党宣言とも受け止められそうだ。今後、定額給付金実施のための関連法案での「造反」も焦点となる。
渡辺氏は栃木県那須塩原市での後援会会合などで「首相は百年に一度の体制をつくってほしい」と強調。さらに(1)早期解散して危機管理内閣をつくる(2)定額給付金を撤回し財源を弱者対策に使う(3)公務員制度改革の骨抜き阻止—を求めた上で「この思いが認められないなら自民党の垣根を越えて離党してでも国民運動を起こす」と述べた。
週内にも細田博之幹事長に要求文書を提出する意向。今後の活動に関し記者団に「独りぼっちになることは考えていないし、あり得ない」としたが、連携相手に関しては「相手があるので控える」と述べるにとどめた。