京都大の
山中教授が人での作製成功を発表した同年十一月より早い時期の出願で、教授とは異なる作製法も含まれている。京大とは別の特許として認められれば権利関係が複雑化し、国が推進する再生医療研究に影響が出る可能性もある。
特許庁によると、バイエルの出願は〇七年六月十五日付。人の細胞に計四種類の遺伝子を組み込む山中教授と同じ作製法に加え、「がん遺伝子以外の三種類の遺伝子を入れる」「三種類の遺伝子と薬剤を入れる」などの方法でもできたとして、作製したiPS細胞そのものを特許出願した。
基にした細胞も、山中教授が成人女性の皮膚細胞を使ったのに対し、新生児の皮膚やへその緒に含まれる
京大は、山中教授が世界で初めて〇六年に発表した動物での成功に基づき、四遺伝子を導入するという作製法の根幹部分についての国内特許を昨年九月取得。だが専門家によると、作製方法が異なれば、別の特許として成立する可能性がある。
バイエルのiPS細胞研究については、傘下のバイエル薬品(大阪市)のチームがかなり早い段階で成功していたことが昨年判明したが、特許の出願時期や内容の詳細は不明だった。