2009年01月04日(日) 22時40分
「イスラエルが攻撃するほどハマス支持は強まる」(産経新聞)
【カイロ=村上大介】暗闇の中に浮かび上がる暗視ゴーグルをつけた歩兵と戦車部隊−。イスラエル軍が地上侵攻を開始した3日夜、パレスチナ自治区ガザ地区の夜空は戦車の砲撃で明るく照らし出され、激しい銃声に住民たちは眠れない夜を過ごした。
イスラエル軍は4日、ガザ地区を南北に貫通する幹線道路を真ん中で封鎖し、ガザを2つに分断、ロケット弾が発射されるガザ北部で重点的に軍事作戦を展開している。イスラム原理主義組織ハマスの戦闘員は迫撃砲などで応戦しているが、イスラエル軍はガザ市周辺にも迫っており、住民によると、4日午後には市南西部から銃声が聞こえているという。
イスラエル軍が迫っているガザ市周辺部の住民の多くは中心部に向けて避難し、息を潜めている。ガザ市内の海岸沿いに住んでいたジャマル・ハラビーさん(40)は空爆で自宅アパートが半壊。海上封鎖にあたるイスラエル艦船が海からも砲撃してくることから、少し内陸にある妻の実家に避難した。電気が途絶えて3日たち、水道もほとんど出なくなった。親類が避難してくることから食糧も底を突きかけている。
「住民を人質に取るハマスのやり方には批判的だったが、いまは内部で争うときではない。イスラエルが攻撃すればするほど、住民のハマス支持は強まるばかり。奇妙な戦争だ」と電話の向こうで語った。
フランス通信(AFP)によると、イスラエル軍は、パレスチナのテレビやラジオの電波を乗っ取り、「ハマスの指導部よ、おまえたちのの命脈は尽きた」「ハマスの指導者は、あなたたちを前線に置き去りにして、自分たちだけトンネルに隠れている」といったメッセージを流し、心理戦も仕掛けている。
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