記事登録
2009年01月04日(日) 21時51分

地上軍ガザ侵攻、ハマスは徹底抗戦の構え…死者485人に読売新聞

 【エルサレム=福島利之】イスラエル軍は3日夜(日本時間4日未明)、イスラム原理主義組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザで、地上軍による侵攻を開始した。

 ハマス民兵は迫撃砲やロケット弾で応戦し、AFP通信によると、パレスチナ側で約20人が死亡し、昨年12月27日に始まったガザ攻撃による死者は485人となった。イスラエルのバラク国防相は3日、「作戦は短期間で簡単に終わるものではない」と述べており、攻撃は数週間続く可能性もある。

 国軍報道官は、地上戦を「作戦の第2段階」と位置づけ、「ロケット弾発射拠点を制圧し、攻撃を阻止する」のが目標だとしている。同国軍は1週間前から、ガザとの境界に近い同国南部に約1万人の部隊を集結させており、3、4の両日で5000人前後がガザに侵攻した模様だ。戦闘機や戦闘ヘリコプターが後方から攻撃を加え、海軍もガザ沖から砲撃を行った。

 ハマス報道官は「ガザはイスラエル軍の墓場となるだろう」と述べており、徹底抗戦する構え。3日夜、ガザ北部のベイトラヒヤ、難民キャンプのあるジャバリアなどでは激しい戦闘となり、同国軍は4日昼、50万の人口が集中するガザ市付近まで迫った模様だ。

 ガザ上空は、黒煙に覆われており、目撃証言によると、市内では逃げようとする住民が車に荷物を満載し、立ち往生しているという。

 イスラエル軍の発表によると、地上戦により兵士30人が負傷した。ハマス側はイスラエル兵を殺害したと主張しているが、同国軍は否定している。

 政府が地上侵攻を決めたのは、同国軍が8日間にわたり空爆を続けたにもかかわらず、ガザから連日続くロケット弾攻撃を止めることができなかったためで、イスラエル紙ハアレツによると、政府は2日の安全保障担当閣僚による閣議で侵攻開始を決定。数万人の予備役招集に着手した。

 ただ、ガザは南北約40キロ、東西5〜12キロの狭隘(きょうあい)な地域に、150万人が住む人口密集地域で、地上戦が長引けば、犠牲者の増大は避けられないと見られる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090104-00000033-yom-int