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2009年01月04日(日) 21時10分

「大荒れ国会」5日幕開け産経新聞

 第171通常国会は5日召集される。政府・与党は総額2兆円の定額給付金の年度内支給開始を実現するため「景気対策の3段ロケット」(麻生太郎首相)の2段目と位置づける平成20年度2次補正予算案と関連法案の13日までの衆院通過を目指す。2次補正と関連法案の成立時期がずれ込めば、21年度予算案の審議日程にも影響が出るため、与党は強硬姿勢で臨む方針。民主党は定額給付金に強く反対しており、国会は冒頭から与野党が激突する大荒れの展開となる。

 国会は召集日の5日、中川昭一財務・金融担当相の財政演説でスタート。6、7両日に衆参本会議で各党代表質問が予定されるが、2次補正を審議する衆院予算委員会の日程は民主党の反対で固まっていない。自民、公明両党は「国民生活の不安解消のため一日も早い成立が不可欠だ」(自民党幹部)と2次補正の衆院通過の期限を13日にし、強行採決も辞さない考えだ。

 民主党は4日の幹部会で、2次補正から給付金部分を削除した修正案を今週中にも提出する方針を確認した。「わずか1日、2日の審議では不十分」(中堅)との姿勢で、5日に衆院予算委の日程協議を改めて行う。自民党内には給付金について「この際思いきってやめた方がいい」(山崎拓元副総裁)との批判があることから、民主党は修正案で麻生政権の足元を揺さぶりたい考えだ。

 通常国会は、2次補正に続いて「3段ロケット」の3段目にあたる21年度予算(本予算)案の審議が控えている。麻生政権としては暫定予算の編成は避けたいところだ。本予算の年度内成立には2月末までの衆院通過が必要だが、2次補正の衆院通過時期が大幅にずれ込めば、本予算の年度内成立にも黄信号がともる。

 予算案本体は憲法の規定で衆院通過後30日で自然成立するが、この規定は予算の執行に必要な関連法案には適用されない。野党が参院で審議引き延ばし戦術に出れば、憲法の「みなし否決」規定による衆院再議決が可能になるまで60日間が必要だ。

 2次補正、本予算双方の関連法案の成立が遅れた場合、定額給付金の年度内支給開始ができないことや、暫定予算の編成に追い込まれる恐れもある。

 麻生首相は4日の年頭会見で衆院解散・総選挙を封印し、2次補正と本予算の成立に全力を挙げる考えを表明。自民党の大島理森国対委員長も4日、宇都宮市内で講演し、「民主党の姿をみると狙いは選挙。ただただ、選挙に向けた政局視点のみだ」と民主党の動きを牽制(けんせい)した。そして「2次補正と来年度予算を年度内に仕上げ、国民にお使いいただくようにすることこそ今の政治の責任だ。その1点のため、あらゆる手段を使い、まなじりを決してやり抜く」と語った。

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