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2009年01月04日(日) 20時45分

JR西が大阪駅そばに「もう1つの大阪駅」産経新聞

 JR西日本が大阪駅北側に建設の意向を持っている“大阪新駅”の構想が具体化していることが4日、分かった。平成23年に百貨店が入居して開業する「新北ビル」と地下通路で結び、現在大阪駅を通らない関空特急「はるか」を停車させることで梅田と関空を乗り換えなしで直結する。「都心最後の一等地」とされながら、急速な景気後退の影響で計画の遅れが懸念されている貨物駅用地「梅田北ヤード」開発にも、弾みをつけたい考えだ。

 新駅構想は、北ヤード(約24ヘクタール)の西端に沿って通る新大阪−福島間の東海道線支線(延長約2キロ)を東側に付け替えて地下化。同線を走る特急「はるか」(京都−関空)や特急「くろしお」(京都−新宮など)が停車する新駅を、約500億円かけて建設する。

 JR西と大阪市などが、北ヤードを所有する都市再生機構(UR都市機構)や鉄道運輸機構を含めて協議を続けており、北ヤードの先行開発区域となる東地区(約7ヘクタール)の開発終了後に、支線の地下化と新駅工事に着手する方針という。

 北ヤード開発をめぐっては、新北ビルの開業に合わせて23年春を予定している先行開発区域の街開きが、不況の影響などで約1年半ずれ込む見通しになり、不透明さを増している。残る西地区(約17ヘクタール)の2期開発も「環境」をテーマとした拠点形成を目指すとしているが、具体的な計画は固まっていない。

 一方、新北ビルは地上28階、地下3階で、JR西が建設を進めており、テナントに「ジェイアール大阪三越・伊勢丹」が入る。同じ23年春をめどに駅舎もリニューアル工事を終えるほか、駅南側の「アクティ大阪」では延べ床面積を1・25倍に増床する計画も進められている。

 また駅周辺では、大阪中央郵便局の建て替え後の高層ビルに、「東京ディズニーリゾート」(千葉県浦安市)を運営するオリエンタルランドが劇場を設置する構想も浮上している。

 JR西は、新駅と新北ビルを結びつけることで、北ヤードを含めたこれらの再開発の効果を最大限に生かす考えだ。

 JR西の近藤隆士・創造本部長は「関空と梅田が特急で直接結ばれると、大阪駅前再開発による経済効果も飛躍的に高まるだけでなく、名実ともに大阪駅が関西の顔になれる」と話している。

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