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2009年01月04日(日) 19時33分

氷上の熱〜い女の戦い 浅田真央VSキム・ヨナ産経新聞

 2人は1990年9月生まれの18歳。身長も同じ164センチで、手足が長くてほっそりとした体形も似ている。2人とは、フィギュアスケート界で世界1位を競い合うトップアスリート、日本の浅田真央選手と韓国の金妍児(キム・ヨナ)選手のことだ。両選手は生まれながらの宿命のライバルかもしれない。

 2人はともに企業の広告に起用されるなど、国民的人気が高いことも共通している。

 昨年12月、韓国高陽市で開かれた「グランプリ(GP)シリーズ最終戦(ファイナル)」の前売り券が、発売開始から15分で完売したほどだ。

 この「GPファイナル」では、浅田選手に逆転勝ちされたキム選手。

 カナダのバンクーバーで開かれる2010年冬季五輪を控え、そのリハーサルとなる今年2月の4大陸選手権(カナダ・バンクーバー)、3月の世界選手権(米国・ロサンゼルス)で永遠のライバル、浅田選手にリベンジを果たすのだろうか。

 浅田選手は名古屋市生まれ。「氷上の妖精」「ミラクルマオ」と呼ばれる。

 尊敬するフィギュアスケート選手は伊藤みどりさん。長野オリンピックの金メダリスト、タラ・リピンスキーさんの演技を見て、オリンピック出場を目指すようになったという。

 趣味はショッピング。好きな食べ物は肉料理やカレー、菓子類。歌手の浜崎あゆみの大ファンとか。

 大の犬好きでも有名。愛犬は、2005年の世界ジュニア選手権で優勝した際に買ってもらったというトイ・プードル。今春、オリンピック選手を多く輩出している愛知県内の中京大学に進学する予定。

 一方、キム選手はソウル市に近い富川市生まれ、軍浦市育ち。「フィギュアの女王」「フィギュアの妖精」と呼ばれている。

 好きなフィギュアスケート選手はミシェル・クワンさん。長野オリンピックで、クワンさんの演技に感動し、以来表現力を磨いたという。

 キム選手は韓国フィギュアスケート史上初の世界レベルの選手。韓国ではまだまだフィギュアスケートはマイナー競技で、競技人口は100人に満たないとされる。キム選手は、韓国のフィギュア界の振興と後進の育成のため、獲得賞金などを寄付しているという。

 趣味はインターネットと音楽鑑賞。好きな食べ物は、パンと韓国の女の子たちが好きな「トッポッキ」(もちをトウガラシみそでいためたもの)。

 愛犬は2匹。今春、専用スケートリンクのあるソウル市内の韓国屈指の名門、高麗大に進学する予定。

 氷上の上ではライバル同士の2人でもアイスリンクを離れると同世代同士、仲良く交流しているという。韓国紙の報道によると、大会の期間中などは、一緒に食事をし、宿舎でもボディーランゲージと英語で会話を交わす仲という。2人が仲良く写る写真も掲載された。

 浅田選手は韓国では好意的に報道されている。昨年末、韓国で開かれたGPファイナルで優勝した際、浅田選手が「韓国は私にとって幸運の地」と話したことが報じられ、大会期間中は、浅田選手が焼き肉やキムチ、ビビンバなどの韓国料理を食べ、キムチは日本でも食べていると紹介されていた。

 冬季五輪を来年に控え、今年は、実力も伯仲する2人の氷上の戦いから目が離せない。ライバルが日本となると、何かと盛り上がる韓国。韓国では、恐らく日本以上に「浅田vsキム」の対決に注目している。(ソウル 水沼啓子)

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