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2009年01月04日(日) 19時09分

安保理、声明案で一致せず 米が反対とアラブ諸国反発産経新聞

 【ニューヨーク=長戸雅子】国連安全保障理事会は3日夜(日本時間4日朝)、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への地上作戦開始を受けた緊急会合を行い、リビアが提案した同地区での即時停戦を求める声明案について協議したが合意に至らず、声明発出は見送られた。

 1月の議長国を務めるフランスのリペール国連大使は「声明案合意には至らなかったが、戦闘激化への懸念や即時かつ恒久的停戦を紛争当事者に求めることで理事国間に強い見解の一致があった」と述べた。

 安保理で唯一のアラブ国家であるリビアは、イスラエルの地上作戦を受けたガザ地区の状況に深刻な懸念を表明、全当事者に軍事活動の即時停止を求めたが、米英は「(イスラム原理主義組織)ハマスによるイスラエル領内への攻撃に言及がない」と声明案はパレスチナ寄りだと主張した。

 米国のウルフ次席大使は「ハマスによるこれ以上のロケット攻撃も武器密輸も行われないことを含んだ恒久的な停戦確立に向けた努力を続けている」と述べ、恒久的な停戦を拒否しているのはハマス側だと強調した。

 協議に先立ち、潘基文・国連事務総長はイスラエル側に地上作戦の即時停止を求める声明を報道官を通じて発表した。オルメルト首相との電話協議で潘事務総長は地上作戦開始への「非常に深い憂慮と失望」を伝え、民間人保護と人道支援の確保を要求した。

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