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2009年01月04日(日) 19時05分

<小沢代表>年頭記者会見の全文(2)解散時期についてなど毎日新聞

Q 解散時期について首相は、年頭会見で「予算案と関連法案が成立するまで解散は考えない」と発言した。3月4月以降にずれ込むと受け止められるが、一方で小沢代表は通常国会冒頭での解散を主張してきた。今後国民の声を強くするためにどのように取り組むのか。現時点で衆院解散の時期をどう考えているか。

A 私が解散の時期を主張していたのではありません。勘違いしないで下さい。今日のような、金融危機以来はなおさらですけれども、それ以前から小泉改革という改革の名の下でほとんどの多くの国民が所得を減らし、負担を強いられてきました。このようなことが金融危機、不景気によってさらに大きなものになってきている。国民の皆さんがこういった政治、行政に黙って耐えているということは到底思えません。従って年明けましたが、年度末に向けて年末以上に厳しい状況になって来ることが予想されておりますので、国民の皆さんの現行政府に対する批判、そして主権者の意思を問えという声は、麻生首相の単なる政権維持の意図を超える大きな声になるのではないかと私は思っています。

Q 首相は年頭会見で今年のキーワードとして「安心」「活力」を挙げた。これについてどう考えるか。また民主党のキーワードがあればお聞かせ下さい。

A 言葉は何を挙げたって、その人の自由ですけれども、安心と何?安心と活力?うーん、それを国民に、日本の社会に十分与え得るような政策を実行し得ないから、麻生さんを支持する人が少ないのではないですか。現に去年の臨時国会。経済、景気対策と、それは今言った言葉の裏腹の話だと思うね、安心と活力というのは。そう言いながら、3カ月間何もせずに自ら政治空白を作ってしまったのが麻生内閣の実態の姿。これは国民皆さんもよくよく分かってきているのではないかと思います。ですから言葉の遊びに国民の皆さんがだまされることはもうあり得ないのではないでしょうか。

Q 民主としてのキーワードは?

A いや別に考えておりません。私どもの考え方はもう一貫しております。これは何も我々の考え方というよりも当たり前ですけれども、政治は国民の生活。また命と暮らしをしっかりと守っていく。そのために国民から権限を負託されている訳ですから、当面その権限を持っている政権が何も、その目的も、使命を果たし得ないとすれば、それは代わる以外にないと思います。

Q 次期衆院選で勝敗のカギとなるのが大都市部だが、同時に参院選の1人区や無所属候補を立てたような民主党の基盤の弱い地域に民主党の主張がどの程度根ざしているか、党の定着度を測るうえで重要だ。全国を回り、そのような地域の実態をどう見ているか。足りない部分があれば、今年どのようにテコ入れを図る考えか。

A 大都市はもちろん定数も多いですから、そして前回の選挙では惨敗を喫したのも事実ですから、大都市部で党勢を拡大しないと政権を取れないのは当然のことであります。それを前提として勝敗の最終的カギを握るのは、やはり今まで自民党が議席を多数得ていた地方、郡部において議席を奪還するということが政権の行く末に大きな影響を及ぼすことになるだろうと思います。私どもとしては大都会も地方も基本的に国民の意識は共通していると思っています。当初は一番弱い部分に、田舎、郡部の地域に、そのしわ寄せが大きく及んだけれども、今や大都市圏におきましても、改革の名の下に行われた無制限の市場原理、自由競争、それによる格差、そしてそこに不景気の追い打ち。ということで大都市圏でも同様に自公政権に対する批判は大きくなっていまして、都市部、地方問わず国民の皆さんの意識は同じだと認識しています。

 従いまして、国民みなさんの気持ちをどう我々が吸収して受け止めていくかという一点にかかっていると思いまして、それについては特別な方策は、毎回言いますけど、そんな妙薬はありません。一人でも多くの方と声を掛け合い、理解していただく以外に方法はありません。

Q 定額給付金をなくすためには、政府側が引き下げるか、3分の2の再議決を防ぐしかないが、3分の2を防ぐために自民党から造反を出させる公算をどう考えているか?

A 私には全く分かりません。

Q 衆院選の争点をどう考えているか。首相は、争点は国民生活の安定だと述べ、消費税についてもマニフェストに掲げて戦いたいと言っているが。

A 何度も言っているように、ポスターもいっぱい張ってあるでしょ。国民の生活を、政治というのは国民の命と暮らし、生活を守ること。それが政治の使命だから。それを守りきれず、グローバリゼーションの名の下に貧富の格差を拡大し、さらに不景気に対して何の手だても打てない。こういう政権はもはや国民にとって必要のない政権ではないかと私どもは思っています。ですから私どもは基本的な理念を背景にして、具体的な政策を訴えていく。その地道な努力が一番国民の心をとらえると思っています。

Q 元民主党衆院議員の永田寿康氏が昨日自殺した。コメントを。

A 亡くなられた、自分の命を絶つということは大変な深刻な心理状態だったのだろうと思います。これは誰でもそうですが。その亡くなられたことについて心からお悔やみを申し上げます。私どもの議員であった、すなわち国民の代表であった者がそのような手段を選ばなくてはならなくなったということについては甚だ残念に思います。私どもはひたすら今も何回も繰り返し申し上げますように、国民の生活をきちんと守っていく。命をきちんと守っていく。そういう安定した平和な社会を築き上げていきたいと思います。

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