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2009年01月04日(日) 18時50分

【小沢代表年頭会見】(上)「もはや国民に必要のない政権」産経新聞

 民主党の小沢一郎代表は4日午後、党本部で記者会見し「国民の生活が第一という観点に立った政権を実現する。それに向けて全力国民の皆さんに訴え、目標を達成する大いなる年にしたい」と述べ、政権交代への意欲を示した。

 会見詳報は以下の通り。

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【衆院解散・総選挙】

 「はい、新年おめでとうございます。本年もよろしく」

 −−改めまして、明けましておめでとうございます。

「おめでとう」

 −−今年は秋までに衆院選があるが、決戦の年に臨むにあたっての決意を伺いたい

 「今年の経済社会を中心にしまして、非常に去年の金融危機以来、厳しい状況が続くだろうと思いますけれども、今の自公の政権では、そういう状況を克服する術も持たないというのが現実だろうと思います。私どもとしては国民の生活をしっかり守る、国民の生活が第一という観点に立った政権を実現する、それに向けて私ども全力で国民の皆さんに訴えていって、目標を達成する大いなる年に、日本の国のために、国民のために、そしてわれわれ民主党のために、大いなる年にいたしたい、そのように考えております」

 −−衆院の解散時期について、今日麻生首相が年頭会見の中で、平成20年度2次補正案と21年度予算案、関連法案が成立するまで解散は考えないと発言した。小沢代表は通常国会冒頭での衆院解散をずっと主張してきた。今後、国民の声を強くするためにどのように取り組んでいかれるのか。また現時点で衆院解散の時期についてどのように考えているのか

 「私が解散の時期を主張していたのではありません。勘違いしないでください。今日のような金融危機以来はなおさらですけれども、それ以前から、小泉改革という改革という名の下で、ほとんどの多くの国民がその所得を減らし、負担を強いられてきました。このようなことが金融危機、不景気によってさらに大きなものになってきている。国民の皆さんがこういった政治行政に黙って耐えているということは到底思いません」

 「従いまして年が明けましたが年度末へ向けて、年末以上に厳しい状況になってくるということが予想されておりますので、国民の皆さんの健康、政府に対する批判、そして主権者の意思を問えという声は、麻生総理の単なる政権維持の意図を超える大きな声になるのではないかと私は思っております」

 −−衆院選の争点をどう考えているか。首相は今日の記者会見で、争点は「国民生活の安定だ」と言い、消費税もマニフェストに掲げたいと述べている

 「これはもう、何度も言っているように、このポスターもいっぱい、もう去年から張ってあるでしょ。国民の生活を、政治というのは国民の命と暮らし、生活を守ること。それが政治の使命だから。それを守り切れず、グローバリゼーションの名の下に貧富の格差を拡大し、さらに不景気に対して何の手当ても打てない。こういう政権はもはや国民にとって必要のない政権ではないかと私どもは思っております。ですから、私たちは基本的なその理念を背景にして、具体的な政策を訴えていくと。その地道な努力が一番、国民の心をとらえると思います」

 −−次期衆院選で勝敗のカギとなるのは都市部だと思うが、同時に参院の1人区というか、特に無所属の候補者を立てて当選したような民主党にとって基盤の弱い地域の実態をどうみるか

 「うーん、大都市はもちろん定数も多いですから、そして、前回の選挙では惨敗を喫したということも事実ですから、大都市部で党勢を拡大しないと政権は取れないということはもう、当然のことであります。それを前提として、勝敗の最終的カギを握るのは、やはり今まで自民党が議席を多数得ておった地方、郡部においてこの議席を奪還するということが、政権の行く末に大きな影響を及ぼすことになるだろうと思います。私どもとしては、大都会も地方も基本的に国民の意識は共通していると思っております」

 「やっぱり一番弱い部分に、地方で言えば、地域間で言えば、地方に、田舎、郡部の地域のそのしわよせが大きく及ぼしましたけれども、今や大都市圏におきましても、改革の名の下に行われた無制限の市場原理、自由競争、それによる格差、そしてそこに不景気の追い打ちということで、大都市圏でも非常に自公政権に対する批判は大きくなっておりまして、都市部、地方、問わず、国民のみなさんの意識は同じだと私は認識しております」

 「従いまして、この国民みなさんの気持ちをどうわれわれが吸収して受けとめていくかという一点にかかっていると思いまして、それについては特別な方策は、毎回言いますけれど、そんな妙薬はありません。一人でも多くの方と声を、理解していただく以外に方法はありません」

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