2009年01月04日(日) 18時43分
増岡が無念の初日リタイア ダカール・ラリー開幕(産経新聞)
今回から南米に舞台を移した自動車のダカール・ラリーは3日、本格的に競技がスタート。アルゼンチンのブエノスアイレスからサンタロサまでの733キロ(競技区間=SS371キロ)で第1ステージを行い、四輪部門では新型車両「三菱レーシングランサー」で自身3度目の総合優勝を狙った増岡浩が初日リタイアするアクシデントがあった。
トップは2時間36分15秒でBMW X3のナセル・アルアティヤ(カタール)。世界ラリー選手権(WRC)元王者のカルロス・サインツ(スペイン=フォルクスワーゲン・トゥアレグ)が続き、3位は同じトゥアレグのジニール・ドゥビリエ(南アフリカ)。三菱勢はリュク・アルファン(フランス)が首位から4分44秒差の5位、ステファン・ペテランセル(同)が6位、ホアン・ナニ・ロマ(スペイン)が8位につけている。
日本勢では市販車クラスの三橋淳(トヨタ・ランドクルーザー)が44位、片山右京(同)は90位、青木拓磨(いすゞD−MAX)は119位。トラック部門では菅原照仁(日野レンジャー)が18位、史上最多26度目出場を果たした菅原義正(同)が19位とした。
■まさに女神の意地悪
2003年大会以来の優勝を目指した増岡は、SSの中盤までは三菱勢での最上位を快走していた。しかし好事魔多し。190キロ地点でエンジントラブルにより停止してしまった。
サポートトラックの到着を待ち、トップから5時間18分56秒遅れの164位で、ようやくゴール。エンジンは内部のボルトが材質の問題から破損しており、スタッフの懸命の作業でも修復できず、無念の初日リタイアが決まった。
「SSが始まってすぐにレーシングランサーのポテンシャルの高さを実感できた。調子も良かっただけに突然のトラブルはアンラッキーです。リタイアという結果をとても残念に思います」と肩を落とす増岡。ナビゲーターのパスカル・メモン(フランス)も「増岡の走りは今までのダカール・ラリーでも最高と言っていいほど好調だったのに…」と悔しがった。
大会は昨年、通過を予定していたアフリカのモーリタニアでテロの危険があるため、スタート前日に中止され、今回は南米に開催地を移した。この間、増岡は今回から投入予定だったレーシングランサーと、それに搭載される新世代ディーゼルエンジンの開発を担当してきた。新型エンジンの信頼性は三菱勢にとって唯一の不安点ではあったが…。
増岡の手によって熟成されたマシンを駆ったチームメートは3台とも8位以内。チリの砂漠を勝負の場ととらえる三菱勢にとって絶好の初日だっただけに、ただ一人、不運に見舞われたのが増岡だったことは、女神の意地悪としか言いようがない。
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