2009年01月04日(日) 01時14分
イスラエルが地上戦に向け作戦拡大か、ガザへ激しい砲撃(読売新聞)
【エルサレム=三井美奈】イスラエル南部のパレスチナ自治区ガザ境界に展開していた同国軍は3日、ガザ側に激しい砲撃を加えた。
目撃証言によると、戦車部隊は砲撃に続き、ガザ方向に移動を始めており、地上侵攻に向けて作戦拡大に動き出した可能性がある。
AFP通信によると、イスラエル軍による8日間にわたる空爆で計450人以上の死者を出したが、イスラム原理主義組織ハマスによるロケット弾攻撃の勢いは止まらず、国軍内では地上軍による侵攻を求める声が高まっていた。国軍は、空爆によりガザで約1000発のロケット弾を破壊したものの、まだ2000発近くが民家や地下庫に隠されていると見ている。
ハアレツ紙によると、国軍は昨年12月31日、短期間の限定的な地上軍侵攻を政府に勧告。バラク国防相はすでに閣議決定した6500人の予備役に加え、新たに2500人の追加招集を閣議に提案し、地上侵攻の準備を進めていた。
ただ、ガザは南北40キロ・メートル、東西5〜12キロ・メートルの平地に150万人が住む人口密集地。侵攻により民間犠牲者が拡大すれば、国際社会からの批判が一層高まるのは必至だ。
また、地上戦となればイスラエル軍兵士の大きな犠牲も避けられず、国内世論調査の支持は19%(1日付ハアレツ紙)と低い。ハマス最高幹部ハレド・メシャル氏は2日、侵攻を受ければ「兵士を拉致する」と警告し、イスラエル世論にも揺さぶりをかけていた。オルメルト政権はレバノン紛争でも地上軍投入が遅れ、民兵組織の軍事力温存につながったと批判されてきた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090104-00000001-yom-int