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2009年01月04日(日) 19時47分

逮捕の男、親とトラブルか 国立の路上生活者殺人未遂事件中国新聞

 東京都国立市で路上生活者が鉄パイプで殴打された事件で警視庁に殺人未遂の疑いで逮捕されたフリーター高本孝之たかもと・たかゆき容疑者(36)が、世田谷区で別の路上生活者が殺害された今月二日、入所している多摩市の福祉施設関係者に、父親とトラブルとなったと伝えていたことが四日分かった。

 二日は警視庁の捜査員が国立市の事件の容疑者として高本容疑者を尾行。世田谷区内で見失った直後に路上生活者の男性の遺体が発見されており、警視庁は、世田谷区の事件への関与についても慎重に捜査している。

 警視庁の調べや施設関係者によると、高本容疑者は元日に実家に帰省。二日、施設に戻り「父親が怒るから、(実家から)帰ってきた。どうしようもない」と関係者に話していた。

 さらに二日午後四時ごろ自転車で施設から外出し、午後七時二十分ごろに戻った。警視庁の捜査員が施設を訪れ、外出先を尋ねると、多摩市内の二カ所の駅周辺で買い物をしたと答えたという。

 世田谷区で殺害された男性は高架下のフェンスで囲まれた空き地で生活していた。尾行していた捜査員は、高本容疑者がフェンスのそばで自転車を止め、空き地に入ったことを確認。尾行がばれないよう間隔を取るなどしていて見失い、約十五分後の午後五時四十五分ごろ、遺体を発見した。

 警視庁は高本容疑者の関係先から血の付いたジャンパーを押収しており、DNA型鑑定を開始。高本容疑者が着ていたものとみられるという。

 また、警視庁は四日、国立市の事件の殺人未遂容疑で高本容疑者を送検した。同容疑者は一貫して容疑を否認し、現場となった国立市の橋についても「知らない」としていたが、その後「橋は知っている」と一部供述を変えているという。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200901040168.html