麻生太郎首相は四日午前、年頭の記者会見を官邸で行い、衆院解散・総選挙に関し「解散は総理大臣、麻生太郎が決断する」と述べ、自らの手で衆院解散・総選挙に踏み切る考えを強調した。五日召集の通常国会で審議が行き詰まった場合の民主党との話し合い解散は「考えていない」と否定した。内閣支持率低迷で求心力が低下する中、今後の政権運営に強い決意を示すことで、政局の主導権確保を狙った形だ。
解散時期に関しては「予算と関連法案を早急に成立させることが重要。それまで解散を考えることはない」と述べ、二〇〇九年度予算、関連法成立後の今春以降とする考えを重ねて示した。
首相は「景気回復の後に消費税増税をお願いすると言った。無責任なことをできないのが政府、自民党だ」と述べ、「中福祉、中負担」維持のため経済情勢の好転を前提に消費税率引き上げを行う考えをあらためて表明。次期衆院選では経済・生活対策が主要な争点になると指摘した。
外交政策では、二十日のオバマ米新政権発足後に日米首脳会談の時期などをめぐり米側と調整に入る考えを示した。世界的な金融危機克服に向け、新たな国際金融秩序構築が重要だとし、日本として積極的に取り組む姿勢を強調した。
集団的自衛権行使は禁じられているとする政府の憲法解釈の変更に関しては、ソマリア沖の海賊被害対策のための海上自衛隊艦船派遣を含め、具体的事態に合わせて検討する必要性を強調した。