サシ(脂肪)の量から質へ—。より霜降りのうま味が濃い肉質を目指し、しまね和牛に米を食べさせる実験が昨年暮れ、島根県畜産技術センター(出雲市)で始まった。伝統的な和牛産地で、米どころでもある島根の特長を結び付ける取り組みだ。
センター内で肥育中の2頭の子牛「糸花勝4」「糸花勝3」号が食べる餌は濃厚飼料に市内産の飼料米を25%ブレンド。出荷までの1年8カ月、食べ続ける。ほかの2頭には出荷前の半年間だけ与えて、短期間でも肉質が変わるかを調べる。米を与えるのは、米ぬかを食べさせた牛の肉に融点(溶ける温度)の低い油脂であるオレイン酸が多く含まれたとの研究例があるからだ。センターの土江博・肉用牛グループ科長は「オレイン酸が多い肉は舌触りがなめらかで、おいしいと感じるようだ」と話す。
【写真説明】飼料米入りの餌を食べる子牛「糸花勝4」(県畜産技術センター)