2009年01月04日(日) 10時08分
ブログの現状と未来 もうける姿勢が強いと成功しない(産経新聞)
インターネットを介して簡単に情報発信ができる道具として、多くの人が利用するブログ(日記風簡易サイト)。芸能人や著名人の情報発信の手段としてもすっかり定着した。なかには多くの閲覧者を集め、既存のメディア以上の影響力を発揮するブログも存在する。こうしたブログを手がける“アルファブロガー”と呼ばれる著名な執筆者らにブログの現状と未来を語ってもらった。(黒川信雄)
■ディーエイエヌ代表取締役 小飼弾(こがい・だん)氏
−−商業メディアとしてのブログの可能性は
「広告が取れるブログには2種類ある。一つは、特定の分野に特化して情報を提供するブログ。もう一つは、“とんがっている”ことが書ける人のブログだ。現時点では、前者の方が広告を取りやすいだろう。また、もうけようという姿勢が強いブログは、なかなか成功しない」
−−新聞などの既存メディアもブログを活用しているが、どう評価する
「情報の発信方法が効率的とはいえない。例えば記事に対するトラックバックを受け付けている新聞はほとんどない。トラックバックは、記事が他者のブログに引用され、リンクをはったことを執筆者に伝えるための機能。これを活用すれば記事へのレスポンス(反応)を得られるのに、やっていない。過去の記事の提供も有効だが、十分にニーズに応えているとは思えない」
−−ネットでの記事の注目度を上げるにはどうすればいいのか
「記事を書きっぱなしにしないことが大事だ。記事のフォローアップをすることが重要で、そうすればネット上の記事に対する注目度はあがる。また、各社が横並びに記事を書くというのもやめるべきだ。例えば、首相が何か言い間違えをしたという記事を、各社が一斉に書く必要があるのか。ネットならば、思いきって記事を書いている他社のサイトにリンクをつけるということをやってもいいのでは」
−−ネットは情報発信の中心的な存在になっていくか
「閲覧者の数で言えば、それはすでにそうなっている。情報産業は、それを閲覧する人の時間の奪い合いで、メディアがネットから離れるということはもうできない。また広告収入という面でも、ネットには、広告をクリックしたもらうことが、そのまま商品の販売につながるという最大の利点がある。そういう意味で、既存メディアには絶対まねができない広告効果を発揮できる」
−−ネット広告の収入は伸び悩んでいるが
「新聞社などのネット事業は失敗している。『どれくらいの金額ならネット事業を運営できるか』という視点で広告料を決定してしまったためだ。例えば、グーグルのように、競売形式で広告枠を販売するシステムを最初から導入していれば、新聞社のネット事業の広告収入はもっと伸びていただろう」
−−ネットを使い、既存メディアができることは
「ネットを活用することによるコストの削減という点では、まださまざまなことができる余地があるのでは。その部分に手をつけたメディアはまだ少ない。率直に言って、新聞社の売り上げは、今後、激減が予想される。早くそれに対応できる態勢を整える必要がある」(黒川信雄)
■小飼弾(こがい・だん)米カリフォルニア大バークレー校中退。96年有限会社ディーエイエヌ設立。99年オン・ザ・エッヂ取締役。01年退任。「達人に学ぶPerl/CGI道場」「小飼弾のアルファギークに逢ってきた」などの著作がある。39歳。
【ブログ】http://blog.livedoor.jp/dankogai/
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