【エルサレム3日共同】イスラエル軍は三日夜(日本時間四日未明)、イスラム原理主義組織ハマスが支配するパレスチナ自治区ガザ北部に地上部隊による侵攻作戦を始めた。昨年十二月二十七日の空爆で始まったイスラエル軍のガザへの大規模攻撃は、八日目で地上戦という新段階に入った。
イスラエルのバラク国防相は「作戦は容易でも短期間でもない」との声明を発表し、長期の作戦も辞さないとの決意を示した。ハマス報道官はイスラエル兵に「ガザは行楽地でなく、墓場となる」と述べ、徹底抗戦を言明。人口密集地ガザでの地上戦では双方の犠牲拡大が懸念され、戦闘が泥沼化する恐れもある。
イスラエル軍も声明を出し、地上侵攻を大規模攻撃作戦の「第二段階」と位置付け「ハマスのテロ基盤破壊と、ロケット弾発射地域の制圧」が目標だと指摘。ガザ周辺のイスラエル南部地域の長期的な治安安定のため、ハマスに打撃を与えてイスラエルの抑止力向上を図るとしている。
軍部隊はガザ北部のエレズ検問所付近など数カ所から侵攻、ロケット弾の発射拠点である北部ベイトラヒヤ周辺などを制圧した。作戦には歩兵、戦車、砲兵部隊や空軍、海軍が参加した。
イスラエルのメディアによると、軍当局者は地上戦でパレスチナ人戦闘員約三十人を殺害したと述べ、ハマス側もイスラエル兵を殺害したと発表したが、いずれも確認されていない。
侵攻開始に先立ち、軍はガザ北部のモスク(イスラム教礼拝所)を空爆し、AP通信によると礼拝中の十三人が死亡した。空爆開始以来の死者は、パレスチナ人四百六十一人以上、イスラエル人四人。