麻生太郎首相は三日夕、都内の私邸でパレスチナ自治政府のアッバス議長と電話会談し、早期停戦を求めるとともに、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの空爆で民間人に多数の死傷者が出ていることを踏まえ、人道支援として一千万ドル(約九億円)を提供する考えを伝えた。アッバス議長は謝意を示した。
首相は「現状を憂いている。一日も早く停戦が行われるよう努力してほしい」と要請。日本政府もパレスチナ和平の実現に向け努力することを約束した。電話会談には河村建夫官房長官が同席した。
これに先立ち、首相は河村長官と自民党の菅義偉選挙対策副委員長を私邸に招いて会談。河村長官が、派遣契約打ち切りなどで仕事や住居を失った労働者らのため厚生労働省が講堂を五日まで開放したことを報告すると、首相は「(五日)以降のこともあるから万全を期してほしい」と指示した。
菅氏は「選挙情勢は厳しい。まずは二〇〇九年度予算案の成立に全力を尽くし、早く景気対策を行うことが一番だ」と報告した。