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2009年01月04日(日) 00時00分

路上生活者襲撃で男を逮捕 殺人未遂容疑、本人は否認中国新聞

 東京都国立市で昨年六月、路上生活者の男性を鉄パイプで殴ったとして、警視庁捜査一課は三日、殺人未遂の疑いで多摩市連光寺、フリーター高本孝之たかもと・たかゆき容疑者(36)を逮捕した。「逮捕状はめちゃくちゃなことが書いてある。現場に行ったこともない」などと容疑を否認しているという。

 周辺ではこの事件を含め、昨年六月に府中市で路上生活者の男性=当時(74)=が殺害されるなど、昨年三月以降に路上生活者が襲われる事件が計五件発生。逮捕前日の二日には東京都世田谷区の東名高速道路高架下で、路上生活者の男性が殺害されているのが見つかっており、捜査一課は一連の事件との関連についても慎重に調べる。

 同課は三日、高本容疑者の自宅や勤務先を捜索。鉄パイプ六本(長さ約六十センチから約一メートル)や複数の包丁、血のついたジャンパーとシャツ、自転車一台などを押収した。

 捜査一課によると、国立市の事件直後、現場付近の防犯カメラによく似た人物が写っていたことなどから、高本容疑者が浮上。昨年十二月下旬から捜査員が二十四時間の行動確認をしていた。

 二日の世田谷区の事件では、尾行中の捜査員が現場近くで高本容疑者を見失い、約十五分後に男性の遺体を発見したという。同課は「重大な結果が生じ、非常に残念で申し訳ない」としている。

 多摩市障害福祉課によると、高本容疑者は軽度の知的障害があり、多摩市の福祉施設で生活。二日は施設から自転車で出掛けており、捜査一課は同日夜、施設に戻っていた高本容疑者を任意同行し、三日朝に逮捕した。

 調べでは、高本容疑者は昨年六月二十日、国立市の多摩川河川敷で路上生活者の男性=当時(63)=の頭を鉄パイプで数回殴打し、殺害しようとした疑い。男性は二週間のけがだった。

 世田谷区の事件は、高架下で五十—七十歳ぐらいの男性が寝袋の中で死んでいるのが見つかった。司法解剖の結果、死因は頭蓋ずがい骨骨折などで、重たい刃物で殴打されたとみられる。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200901040034.html