主力衣料品の販売不振が続くアパレル市場で、一シーズン前に購入したコートやジャケットと組み合わせて新たな装いを演出するファーやストール、ポンチョなど小物の売れ行きが堅調だ。
個人消費が一段と冷え込み、大物衣料に消費者の財布のひもは固くなる一方。お金をかけずにおしゃれを楽しんでもらおうと、売り手側も工夫を凝らしている。
日本百貨店協会によると、二〇〇八年十一月の衣料品の全国百貨店売上高は前年同月比9・1%減の二千三百九十八億円と、十七カ月連続マイナス。しかし、同協会は「最新トレンドを一点だけ買い足す消費者が増えている」と指摘する。
地方都市も傾向は同じ。鳥取大丸(鳥取市)では、コートとのコーディネートを意識した帽子などが売れ筋だ。「秋以降、小物は堅調で婦人用は10—15%、紳士用も前年より5%程度伸びており、ギフト用の販売を強化している」(
この冬は男性向けのクリスマスプレゼントにマフラーが目立って多かったほか、スーツの下に着用するセーターも客の関心が高い。
コムサデモードなどのブランドで知られるアパレル会社「ファイブフォックス」(東京)は、「アクセサリー一つで前年とは違うスタイリングを楽しむ“プラスワン”商品の提案を強めている」(広報担当者)という。