米首都ワシントン郊外のレーガン・ナショナル空港で一日、国内便に乗り込んだイスラム教徒の家族連れ九人が、「不審な会話」をしたと誤解され、航空会社に搭乗を拒否される騒ぎがあった。米ワシントン・ポスト紙(電子版)が報じた。
同紙によると、九人はエア・トラン航空の旅客機でフロリダ州オーランドに向かう途中で、ほかの乗客に、不審な会話をしていると受け取られた。
九人によれば「どの席が安全か」などと話しただけだといい、米連邦捜査局(FBI)が調べた結果、誤解だと判明。航空会社は二日、謝罪コメントを出した。
搭乗を拒否された男性は「外見で判断された」としており、航空会社の対応に憤っている。九人のうち八人は米国生まれで、子供三人も含まれていた。大人の男性はひげを生やし、女性は頭をスカーフで覆うなど典型的なイスラム教徒の格好だったという。
二〇〇一年の米中枢同時テロ以降、空港での治安取り締まりが厳格化したが、市民団体からは、人種や宗教による選別があるとの懸念の声が上がっていた。(共同)