イタリア紙レプブリカは3日までに、先月中旬の首都ローマの大雨で、暴君と呼ばれた第5代ローマ皇帝ネロ(37—68年)の黄金宮殿など、ローマ帝国時代の貴重な遺跡が大きな被害を受け、早急な補修が必要となっていると報じた。
補修は7日から始まる予定だが、今後の維持費と合わせ少なくとも2000万ユーロ(約25億円)必要であるのに対し、400万ユーロの予算しか計上されておらず、専門家は本格的な対策の必要性を訴えている。
被害を受けたのは黄金宮殿のほか、初代皇帝アウグストゥスの妻、リビアの居宅跡など。いずれも大雨で浸水などしたため、内部のフレスコ画などがはがれ落ちる可能性が指摘されている。
黄金宮殿は64年のローマ大火の後、ネロが建設。内部のフレスコ画は繊細なタッチの傑作として有名で、ミケランジェロらルネサンス時代の芸術家らが壁画を研究したといわれる。同宮殿は2005年の大雨でも1部のフレスコ画がはがれ落ちるなど被害を受けた。
ローマでは先月11、12の両日、約40年ぶりの大雨が降り、市当局が市内を流れるテベレ川の決壊の恐れがあるとして警戒を呼び掛けた。(共同)
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