新春初売りが2日、中国地方の百貨店であった。景気悪化で消費者が生活防衛を強める中、買い得感のある福袋を求める客でにぎわった。旅行を控え、正月を自宅で過ごす人の需要も取り込み、ほぼ前年並みの販売を確保した店が目立った。
「これまで我慢してきたので今日はすっきりした」。福屋広島駅前店(広島市南区)で福袋13個を買った南区の主婦尾畑里美さん(45)は、衣料のほか食料品も買いだめした。
開店前に約8000人が列をつくったのは、そごう広島店(中区)。福袋2万5000個を用意し、子ども服ブランドのコーナーは母親たちでごった返した。「冬物バーゲンも同時スタートさせ、来店増につなげる」と同店。
福袋1万個をそろえた三越広島店(同)は焼酎や牛肉のセットが完売。天満屋福山店(福山市)は羽毛布団の福袋(1万500円)70個が15分で完売した。近鉄松下百貨店(周南市)はウニやハムなど食料品の詰め合わせ(5000円)などが好調で「景気悪化の中、思ったより来店客は多い」。
【写真説明】「福」と「値ごろ感」を求め、買い物客でにぎわう百貨店の福袋コーナー=広島市南区(撮影・天畠智則)