記事登録
2009年01月03日(土) 02時32分

<三菱UFJ>初の最終赤字 10〜12月期連結見通し毎日新聞

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)と、みずほFGの08年10〜12月期連結決算が最終(当期)赤字に陥る見通しになった。金融危機の深刻化で10月以降に株価が急落し、保有する株式で数百億円の損失処理を迫られていることが響いた。赤字額はそれぞれ数百億円規模になる可能性があり、09年3月期の最終利益も下方修正される公算が大きい。

 両社幹部が明らかにした。両社は08年10〜12月期決算を1月末にも発表する。四半期ベースの最終赤字は、三菱UFJが05年10月の発足以来初めて。みずほは2期連続となる。

 08年9月中間決算は三菱UFJが920億円、みずほが945億円と最終黒字を確保した。ただ、9月の米リーマン・ブラザーズ破綻(はたん)後、金融危機の影響が本格化し、08年12月末の日経平均株価は8859円と9月末より2000円超も急落。多くの保有株が取得価格より大きく値下がりしたため、損失処理を迫られた。また、中小企業を中心に倒産が高水準で推移、不良債権処理の費用もかさんで収益を圧迫した。

 両社の09年3月期の最終利益予想は、三菱UFJが前年同期比65%減の2200億円、みずほが19%減の2500億円。1月以降、株価が急回復しない限り、09年3月期の業績下方修正は避けられない情勢だ。

 金融危機による市場の混乱や景気低迷を受け、トヨタ自動車の09年3月期決算が営業赤字見込みになるなど、一般事業会社の業績悪化が広がっている。大手銀行グループの赤字転落は、金融機関の貸し出し余力を低下させ、景気後退に拍車をかける恐れがある。

 一方、3大銀行グループのうち、三井住友FGの08年10〜12月期決算は、保有株の簿価が低い水準のため、損失処理が比較的少なく、最終黒字を維持できる見通し。ただ、09年3月期決算の最終利益は、前年同期比61%減の1800億円との予想から下振れする可能性がある。

【関連ニュース】
住宅ローン金利:三菱UFJ、りそなが3カ月連続引き下げ
三菱UFJ:アコム子会社化を年内に前倒し
三菱東京UFJ:システム統合…3年がかりで終了
三菱東京UFJ銀:15日にシステム統合が完了
三菱UFJ:増資額7886億円 株価低迷で1兆円届かず

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090103-00000003-mai-bus_all