イスラエル軍は2日、パレスチナ自治区ガザで空爆を続けた。昨年12月27日の開始から一週間連続となり、ロイター通信によると、パレスチナ人の死者は計414人となった。1日の空爆では、強硬派ハマスの有力幹部を初めて殺害。イスラエルのリブニ外相は1日、フランスのサルコジ大統領とパリで会談し、現段階では空爆停止に応じない考えを示した。
イスラエルのメディアによると、同国はハマスに停戦を順守させるための国際監視団などの設置を、停戦の条件にすることを検討している。
イスラエルは2日、結婚などで外国籍を持つガザ地区住民の退避を認め、200人以上がガザからイスラエル領を経由してヨルダンに向かった。
空爆で殺害されたハマス幹部は、ガザ地区北部の責任者で政治部門の最強硬派ニザル・ラヤン氏。軍の戦闘機が難民キャンプにある自宅を爆撃した。AP通信によると、4人の妻と子供10人も巻き添えになり死亡した。
軍は1日夜から2日にかけ、武器庫として使われているモスク(イスラム教礼拝所)やロケット弾の発射部隊など約20か所を爆撃したと発表。ハマスはイスラエル領にロケット弾攻撃を続けた。
軍はガザ地区周辺に、地上侵攻に備えて数千人の部隊を配置。ビルナイ国防副大臣は軍放送に「ハマスに強烈な打撃を与える作戦は始まったばかりだ」と語った。イスラエル紙ハーレツは、軍が政府に対し大規模で短期の侵攻作戦を提案していると報じた。
ハマス政権のハニヤ首相はハマス系テレビで「攻撃がまず停止されなければならない」と述べ、イスラエルの攻撃停止が停戦協議の前提になるとの立場を示した。(共同)
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