タイの首都バンコク中心部のエカマイ地区にある高級ナイトクラブ「サンティカ」で1日午前零時半(日本時間同2時半)ごろ、新年を祝う客で混雑する中、火災が発生、保健省によると、59人が死亡、229人が負傷した。バンコクの日本大使館によると、日本人男性4人が負傷し、うち2人は重傷。
警察は死者にシンガポール人など外国人が含まれているとしている。日本人がいるとの情報はないが、日本大使館が確認を続けている。
病院関係者などによると、けがの程度が最も深刻な日本人男性は東京都文京区の会社員、和田桂一さん(38)。背中や足に大やけどを負ったほか、呼吸困難に陥っているという。和田さんは観光でバンコクを訪れていた。日本大使館によると、残る3人のうち1人はバンコク在住で2人はさいたま市の木村健二さん(28)ら日本からの観光客。この3人は知人同士という。
同ナイトクラブは2階建てで地下部分もある。目撃者によると、火災は新年のカウントダウンを行うショーが終わった後に1階ステージ付近の天井から発生、瞬く間に燃え広がったという。警察は、店が使った花火が天井の装飾物などに引火した可能性があるとして調べている。店内は当時、1000人近くの客で混雑していたという。
軽傷を負った日本人とともに現場に居合わせたタイ人女性は「天井が燃えているのが分かり、すぐ出口に向かったが、客が殺到して手や足にけがをした。パニック状態だった」と話した。
警察の調べでは、客に分かる出口が1か所しかなく、現場で遺体で発見された客の多くは煙に巻かれるか、他の客らの下敷きになって圧死したという。同ナイトクラブは1日で営業を終了、近く移転する予定だった。
エカマイ地区は在留邦人も多く居住する高級住宅・商業地。(共同)
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