富山県南砺市吉見の渡辺花子さん(78)方から1日午前5時10分ごろ出火、木造2階建て約400平方メートルを全焼し、焼け跡から6人の遺体が見つかった。ほかに4人がやけどなど重軽傷を負い、病院で手当てを受けた。渡辺さん宅には息子ら3家族計9人が正月休みで帰省中だった。
県警によると、渡辺さんは普段1人暮らしだが、次男の自営業渡辺欣治さん(52)=東京都町田市=家族4人、三男の富山県立高校の教員渡辺隆夫さん(48)=富山県砺波市=家族3人、長女のパート川田敦子さん(55)=茨城県取手市=家族2人が帰省し、計10人がいた。
県警によると、遺体は渡辺さん、欣治さんと妻麻理子さん(52)、欣治さんの長男泰輔さん(26)と三男祐輝さん(22)、隆夫さんの妻昌江さん(46)とみられ、遺体を司法解剖して身元と死因の確認を急ぐ。
県警が消防と合同で現場検証したところ、ファンヒーターのあった1階の居間周辺が激しく焼けていた。県警は室内からの出火による失火の可能性が高いとみて原因を詳しく調べている。
調べでは、出火当時、1階には渡辺さんが1人で、2階で帰省中の9人が寝ていたとみられる。9人のうち4人が2階から飛び降りて逃げた。
川田さんが顔や両手足などにやけどを負い重傷、川田さんの長女(22)が煙を吸い気道炎症。隆夫さんが顔にやけどをし、隆夫さんの三女(19)が腰を打つなど打撲傷を負った。
近所の人の話では、集落では昨年7月に豪雨があり、渡辺さんの夫の墓が土砂に埋まったため共同墓地に移し、12月31日に親族で法要を営んだという。
現場は、富山県西部の石川県境に近い山あいで、民家約20戸が点在する集落。
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