中国電力が山口県上関町で進める上関原発建設計画で、県埋蔵文化財センター(山口市)は建設予定地にある田ノ浦遺跡の発掘調査を今月下旬に始める。期間は4、5カ月間を予定し、調査結果によっては延長する可能性がある。
同センターは中電の依頼で2005年5—7月にも遺跡を調査。縄文時代の集落跡や土器片、奈良、平安時代に製塩したとみられる石器片などが見つかった。県教委は、高潮などの影響で遺構の保存状態がよくないことなどを踏まえ、現場保存ではなく、記録保存に留める方針を決めていた。
今回は、この調査区域から西方に続く約1000平方メートルを発掘する。県教委が昨年秋、今春着工を予定している中電の敷地造成工事に備えて試掘し、再度の発掘調査が必要と判断した。