少子化による大学生数の減少を背景に「キャンパスの都心回帰」が、広島都市圏で広がっている。通学などの利便性の高さで魅力向上を図ろうと、首都圏で目立っていた動きが地方に波及。4月に市内では15年ぶりの新設大学が誕生するほか、呉大(呉市)が2010年に安佐南区に新学部を置く構想を練る。
宇品地区の高層マンションが立ち並ぶ一角に昨年22日、地上5階建ての校舎が完成した。専門学校を運営する古沢学園(中区)が手掛ける広島都市学園大だ。看護学科(1学年100人)の単科で、市内での新設大学は広島市立大(安佐南区)以来となる。周辺の看護系は私立だけで日本赤十字広島看護大(廿日市市)など3校あるが、キャンパスは郊外。
都心回帰で先行したのは広島国際大(東広島市)。01年、中区に広島キャンパスを設け、学生のための宿泊施設や臨床心理センターを備えた。広島国際学院大(安芸区)は03年、中区のビルに入居した。この立町キャンパスは生涯学習や学生の発表の場だ。
学生数約1万人の広島大が中区から東広島市へ統合移転(1995年完了)したように、大学の郊外志向が続いた広島都市圏。大学間競争が激化する中、今年が潮目となって都心回帰が加速する可能性が出ている。
【写真説明】広島市内に15年ぶりに開学する広島都市学園大(広島市南区宇品西)