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2009年01月02日(金) 08時36分

二番底の後、なだらかな回復局面へ=コスモ証券・清水氏サーチナ

サーチナ・新春特集:2009年の相場観−日本株

 2009年も波乱含みの相場が予想される日本株市場。1年の始まりに当たり、今年の相場見通しについてコスモ証券の清水三津雄・エクイティ部副部長に聞いた。


——2009年の日本株相場はどのように推移すると予想されますか?

 日経平均は下値が7000円前後、上値は1万円前後で推移すると見ています。上値の根拠ですが、まず当社は、日経平均の2009年3月期の予想EPS(1株当たり利益)が、急激な業績悪化によって前期比35%減益の559円前後になると予想しています。来期(10年3月期)はいくぶん業績が回復するにしても、5%前後の減益が続くと、その場合の予想EPSは531円となります。業績が回復の兆しを見せ始めるとPER(株価収益率)20倍以上の水準まで買われやすくなりますので、531円を20倍した1万620円が、今年日経平均の上値水準になるのではないかと見ています。

——企業業績が回復するとの前提に基づいた見通しですが、業績回復は実現するでしょうか?

 米国経済が、オバマ新政権による大型刺激策や金融機関の支援策によって今年の夏から秋口に回復に向かえば、日本企業の業績にもプラスに作用します。株式相場は景気動向に比べて半年ほど先行して動きますので、米景気回復への期待を織り込みながら日本株相場は今年の春以降、堅調に推移していく可能性があります。

 一方、今年の前半については、1月20日のオバマ新政権発足に向けて期待感から株価が上昇する局面も考えられますが、その後は期待感がはげ落ち、最悪期と見られる昨年10—12月期の企業業績やマクロ指標が次々と明らかになりますから、日経平均は2—3月ごろに「二番底」に落ち込む可能性もあります。ただし、その後は年末にかけて、なだらかな回復局面に向かうことが期待されます。

——今年1年の日本株相場に対する懸念材料は?

 何と言っても円高ですね。米国が事実上のゼロ金利政策を実施して日米の政策金利水準が逆転し、その他の国々も利下げを続けています。実体経済悪化から各国が今後、大型の景気刺激策や量的緩和策を実施すると考えられ、金利差の縮小から円高がさらに進み、輸出関連企業の収益を圧迫するかもしれません。

——今年注目されるセクターは?

 不景気でも需要が減らないだろうと予想される業種ですね。ひとつの例が環境関連です。リチウムイオン電池や太陽光発電、原子力発電、風力発電などに関連する企業が注目を集める可能性があります。もうひとつは円高の影響を受けにくい内需関連です。紙・パルプや、小売セクターの中でも「勝ち組」とされるアパレルのファーストリテイリング <9983> 、しまむら <8227> 、家具量販のニトリ <9843> 、ファストフードの日本マクドナルド <2702> などの株価は、今年前半も引き続き好調に推移すると見ています。(取材・文責:サーチナ・メディア事業部)

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