【モスクワ1日共同】ロシア政府系天然ガス独占企業ガスプロムのミレル社長は三十一日夜に記者会見し、ウクライナとの間で続いていたガス供給をめぐる交渉が決裂したため一日午前十時(日本時間午後四時)から同国向けのガス供給を停止すると述べた。ロシアによる元日の対ウクライナガス供給停止は二〇〇六年一月に続き二度目。
ミレル社長は同時に、欧州諸国向けのガス供給義務は履行すると強調。しかしガスプロムによるとウクライナ国営ガス企業は欧州へのガス輸送を保証しないとする書簡を送付してきたといい、ロシア産ガスの消費量の七割をウクライナ経由で受け取っている欧州に影響が出る可能性もある。
インタファクス通信によると、ウクライナのティモシェンコ首相は三十一日夜、欧州連合(EU)のバローゾ欧州委員長と電話会談し、欧州向けガスの円滑な輸送を保証すると述べた。
ウクライナ側は〇九年からガス供給価格を現行の一千立方メートル当たり約百八十ドル(約一万六千円)から二百五十ドルに値上げする提案を拒否。
ミレル氏はウクライナ側が仲介企業へ送金したとしているガス代金滞納分の約十五億ドルについてもガスプロムには入金されていないと述べ、交渉決裂の責任はウクライナ側にあると強調した。