【ニューヨーク1日共同】十二月三十一日のニューヨーク株式市場のダウ工業株三十種平均は前日比一〇八・〇〇ドル高の八七七六・三九ドルと続伸し、二〇〇八年最後の取引を終えた。しかし前年末の終値に比べ四四八八・四三ドル安で、下げ幅は史上最大。下落率は大恐慌下の一九三一年以来の33・8%となった。株安を招いた金融危機は欧州にも波及し、英国などの株式市場で史上最悪の下落率を記録。原油価格は乱高下し、米国債の利回りが急落するなど各地の金融市場は大荒れの一年だった。
ハイテク株主体の米ナスダック総合指数は前日比二六・三三ポイント高の一五七七・〇三。前年末比では40・5%も下げた。
米国の〇八年の株価は金融を中心に年初から不安定な相場が続いたが、九月の証券大手リーマン・ブラザーズの破たんで値下がりが一気に加速。
公的資金を活用して金融機関を救済する法案が下院で否決された九月二十九日には、一日の下落幅として史上最大となる七七七ドル超のマイナスに。十一月には一時、七五〇〇ドル台を割り込み〇三年三月以来の安値水準まで下げた。
〇九年の株価の見通しは楽観と悲観が交錯。一月に大統領に就任するオバマ氏が大規模な景気対策に踏み切る考えを示していることから、相場の底入れ期待感も高まりつつある。
ただ一月下旬にシティグループなど銀行大手が発表を予定する決算は一段の悪化を見込む関係者が多い。景気の足を引っ張る最大の要因となっている住宅価格下落にも歯止めがかかっておらず、株価が本格的に回復するかは不透明だ。
一方、〇八年末のロンドン市場のFT百種株価指数は前年末比で30%、フランクフルトのクセトラDAX指数も40%それぞれ下げ、過去最大の下落率。「大恐慌以来」(ポールソン米財務長官)とされる世界的な経済の混乱を裏付けた。
ニューヨークの原油先物相場は七月につけた史上最高値の一バレル=一四七ドル超から七割も下落。米十年もの国債の利回りが年初の4%台から2%台に急落(価格は上昇)した。