「中に子どもがいる」。元旦の空を真っ赤に染める炎に、男性が必死の形相で叫んだ。帰省中の三家族ら十人が集う実家で起きた富山県南砺市の火災。焼け跡から六人の遺体が見つかった。親族そろって今年最初の朝食をとるはずだっただんらんの家が崩れ落ちた。
「火が一階から二階へ突き上げるように燃え、空が真っ赤に染まった」。近所に住む無職女性(76)は午前五時ごろ知人からの電話で火事を知った。
家のそばでは、渡辺さんの息子の一人とみられる男性が声をからして「中に子どもがいる」「助けてくれ」と周囲に救助を求めていたという。
亡くなったとみられる渡辺さんは畑仕事も一人でてきぱきこなす、話し好きな女性。近所の無職