派遣契約の打ち切りや解雇で企業から寮の退去を迫られ、年末年始に行き場がない人たちを支援しようと、生活相談に応じて食事を提供、宿泊場所を紹介する緊急避難所「年越し派遣村」が三十一日、東京・日比谷公園に開設された。
約二十の労働組合や市民団体などが主催し、行政の窓口が再開する一月五日朝まで続ける。
実行委員会によると、午後四時現在、支援を求める人が百人以上訪れ、ボランティアは三百五十人を超えた。
群馬県の自動車部品工場に派遣され、十月末に解雇された男性(41)は「ネットカフェや公園の野宿で持ちこたえてきたが、もう疲れた。捨てる神あれば拾う神ありで、支援はありがたい」と語った。
生活相談には二十四人が訪れ「浜松市にある工場の期間従業員だったが解雇され、三カ月前から公園暮らし」(四十代の男性)、「東京の知人を頼り、山口県から出てきた。いつまでも世話になれない」(五十代の男性元派遣社員)など深刻な声が多かった。
実行委員会によると、所持金が数千円に満たない人が多く、年明けに集団で生活保護を申請する。相談は連日午後一時から同六時まで弁護士や労組関係者が対応。一月五日朝まで一日三食を提供し宿泊場所も紹介する。
開催期間中の問い合わせは、電話090(3499)5244まで。
【写真説明】〝年越し派遣村〟の開村式で気勢を上げる支援を求める人やボランティアら=31日午前、東京・日比谷公園