31日夜に広島市西区の広島サンプラザであった世界ボクシング協会(WBA)フライ級タイトルマッチは、広島県府中町出身の王者・坂田健史選手(28)の熱心なファンでにぎわった。試合は坂田選手のKO負けに終わり、大声援は一転、ため息に変わった。
広島県での世界戦は具志堅用高氏以来、30年ぶり。大みそかの開催は日本ボクシング史上初で、全国的にも注目の一戦だった。中国地方で大みそかの大規模なスポーツイベントは珍しく、県内外から集まったファンは約2200人。府中町の会社員竹下宜久さん(37)は「すかっと今年を締めくくってほしい」とゴングを待った。
地元ファンの熱烈な応援もむなしく、坂田選手は第2ラウンドで挑戦者デンカオセーン・シンワンチャー選手(タイ)の強打を浴び、マットに沈んだ。まさかのあっけない結末に、会場は一瞬、静まりかえった。
【写真説明】ボクシングファンでにぎわったWBAフライ級タイトルマッチ(撮影・天畠智則)