「ベテランの漁師2人がなぜ…」。何とか無事で、の祈りは届かなかった。最悪の結末に、地元の漁師仲間らは肩を落とした。
午前10時半、福岡さん所有の漁船福栄丸(4.36トン)が同僚の漁船にえい航され、尾道市吉和町の吉和漁港に着いた。船体に損傷はなかったが、スクリューにノリ網が絡まり、いけすと底引き網にはエビやカニ、シャコなどが入ったまま。遺族らは涙を浮かべ、魚介類を持ち帰った。
福岡さんは漁業歴約40年、丹次郎さんは現役最高齢の1人で、長く親子で漁を続けてきた。同町の吉和漁協の山本正直組合長(74)は「海のことをよう知っとる2人だけに信じられん。何か想像できんことが起きたのでは」と戸惑いを隠せない。