周南市のコンビナートの慢性的な水不足解消へ、山口県企業局は31日、九州大と共同で初の人工降雨実験をした。九州や四国地方で取り組まれている実験で、将来の実用化をめざす。
企業局によると、この日、九州大大学院西山浩司助教らが軽飛行機で、萩市須佐沖の上空に浮かぶ雨を降らせそうな雲3つの底に、氷点下90度の液体炭酸(液体の二酸化炭素)を計3分41秒散布した。
まいた炭酸が周りの水蒸気などを冷やし、氷の結晶に変化。風に吹かれて約1時間後、工業用水を送る周南市鹿野の菅野ダム流域に雨を降らせる仕組み。
周南市などで県職員が待機したが、期待した降雨は観測できなかった。萩市寄りの阿東町徳佐などで雪がちらついたが、実験のせいかどうかも含めて検証する。