愛媛県上島町百貫島沖の燧灘で30日、尾道市吉和漁港の漁船福栄丸(4.36トン)が無人でノリ網に乗り上げ、乗組員2人が行方不明になった事故で、尾道海上保安部は31日、船長の同市正徳町、漁業福岡哲信さん(57)と、父の丹次郎さん(83)の遺体を百貫島沖で発見した。
同保安部によると、早朝から巡視艇4隻とヘリコプター1機、吉和漁協などの漁船約30隻が捜索。同日午前9時半ごろ、百貫島の東約1キロの海上で福岡さん、同11時20分ごろ、百貫島の南東約700メートルで丹次郎さんの遺体が見つかった。2人ともノリ網の中にいたという。死因はともに水死だった。
福岡さん親子は30日朝に出港し、百貫島北側で操業していたとみられる。同日午後4時ごろ、百貫島の南約7キロの海上で、無人の福栄丸を別の漁船が発見した。当時、周辺の海上では12—15メートルの強風が吹いていた。
【写真説明】福岡さん親子の無事を願い、漁船で捜索に出る吉和漁協の組合員ら(吉和漁港、31日午前6時45分)