山口県内の障害者雇用について、民間企業と公的機関の格差が広がっている。民間の実雇用率が前年比0.05ポイント上昇し2.22%と2年連続で最高を更新した。一方、県と県警、県教委などは前年割れ。特に県教委は、障害者雇用促進法に基づく法定雇用率を15年連続で下回り、山口労働局が改善を指導した。
労働局が、6月1日時点での雇用状況を調査。障害の重さや勤務時間で、雇用者数を0.5—2人に換算して算出した。県教委が雇用する障害者は117人で、57人が不足。実雇用率は法定を0.66ポイント下回る1.34%で、前年より0.02ポイント下がった。
県教委教育政策課によると、障害者雇用の内訳は教員88人、事務職員29人。同課は「母数の大きな教員での採用が少ない。教員免許を持つ障害者がそもそも少ない可能性がある」とみる。2005年から教員採用試験に定員1人程度の身体障害者枠を設けたが、応募は計13人で合格者は2人。県教委は枠を継続しながら、事務職員も積極的に受け入れ、雇用率向上を目指す。
県の実雇用率は前年比0.07ポイント減の2.24%▽県警は0.54ポイント減の2.40%▽県立大は0.34ポイント減の3.41%。いずれも法定雇用率2.1%は超えたが、前年を下回った。民間企業は、法定雇用率1.8%が適用される従業員56人以上の691社を調査。総数12万9491人中、2880人が障害者と、高い雇用率だった。