「派遣切り」など非正規労働者に厳しい年の瀬となっている中、就労を希望するホームレスに無料で宿泊場所や食事を提供するホームレス自立支援センターの利用が急増している。
東京都と大阪など8政令市に計24か所あるセンターの利用率は3月に64%だったのが、今月下旬のデータでは83%になった。若者が増えており、東京都と横浜、堺、北九州の各市は9割以上が埋まっているという。
定員72人の名古屋市の施設「なかむら」は、利用率が2007年度に51%だったのが、82%に跳ね上がった。市は「10月以降、自動車など広範囲の産業に影響が出ているせいで入所者が極端に増えている」と心配する。
派遣契約を切られて半年近く入所する男性(35)は正社員を目指し、就職活動するが、製造業など15社で断られた。派遣会社に登録したが、仕事が回ってくる保証はない。「いつ生活が落ち着くのか」と不安を漏らす。
利用率90%の横浜市の「はまかぜ」(定員226人)では、この半年間にネットカフェ暮らしだった66人が入所した。ネットカフェに約2年間寝泊まりし、今月19日に入所した男性(26)は「アルバイトをしていたが仕事が激減した。正社員になり、アパートを借りたいと入所したのだが」と話す。
工藤広雄施設長は「雇用悪化で、派遣やバイト生活をしていた若い世代の新しいホームレスが多くなっている」と危機感を募らせる。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081209-206556/news/20081230-OYT1T00685.htm