「核兵器のない世界」を目指すと公約したオバマ次期米大統領を被爆地に呼ぼう—。広島の中高生や被爆者らが手紙を書き、オバマ氏の後輩にあたるハワイの高校生も英訳を手伝うなど、日米間で実現に向けた草の根の連携が広がっている。
中高生は地元紙「中国新聞」を通じ呼び掛け、十一月末までに約三百四十通が集まった。国内のボランティアや、オバマ氏が小五—高三を過ごした「プナホウ学園」(ホノルル)の高校生ら百人以上が英訳に参加する。
「現職米大統領として初めてオバマさんが来ることで、世界の人の核に対する考え方が少しでも変われば」「広島で平和についての演説を」—。
手紙には、変革を掲げるオバマ氏に、核兵器廃絶でも重要な役割を果たしてほしいとの期待感が率直につづられている。
プナホウ学園で日本語を教えるピーターソンひろみさん(60)は「生徒は『グッドアイデアですね』と、日本の若者がしたためた手紙の翻訳に取り組んでいる」と話す。
作業は来年一月末に完成予定。いつ誰がオバマ氏に手渡すかなど、問題は山積みだが、関係者は「確実に本人に読んでもらえる人脈を探し、書いてくれた人たちの思いに応えたい」としている。
広島、長崎両市もオバマ氏の訪日を希望しており、