2008年12月30日(火) 07時42分
目が見えなくても星を知ろう…点図で天文学入門書(読売新聞)
視覚障害者でも星の世界を楽しむことができるように、点字や点図、音声読み上げデータなどを組み合わせた天文学入門書の作成に、筑波技術大(茨城県つくば市)の長岡英司教授らが取り組んでいる。来年3月に完成させ、全国の点字図書館や視覚障害者が学ぶ特別支援学校などに計300冊を配布する。
天文学は、写真などのイメージで伝える要素が多く、既存の書籍を点訳するだけでは視覚障害者が独学するには不十分だった。今回、趣旨に賛同した京都大の嶺重慎教授(宇宙物理学)らが原稿を書く段階から、視覚障害者がアドバイスした。大中小3種類の大きさの点で写真や図を表現する点図のイメージが正しく伝わるかどうか検証。点図も、「月から見た地球」の図では「下半分がごつごつした月の表面。その上空に、ぽつんと地球が浮かんでいる」などと解説し、イメージが伝わりやすいよう工夫した。
自らも全盲の長岡教授は「『夜になると頭上で星が輝く』と聞くと興味がわく。今回の本が勉強するきっかけになれば」と期待している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081230-00000004-yom-sci