【パリ30日共同】国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(RSF、本部パリ)は30日、2008年に世界で起きた報道弾圧に関する報告書を発表した。報道活動に関連して殺害されたジャーナリストは60人、拘束者は673人だった。
07年に殺害された記者は86人で、今回は減少したが、RSFは報道関係者への威嚇や検閲は西欧社会を含めて拡大傾向にあると指摘。「報道の置かれた状況は楽観視できない」とした。
報告書によると、殺害された記者が最も多かったのはイラク(15人)で、パキスタン(7人)、フィリピン(6人)が続いた。
拘束はアフリカ各国で多かったが、中国でも38人に上った。RSFは拘束理由の多くが北京五輪開催に関連するものだったとしている。ほかに拘束が目立ったのはイラク(31人)、ミャンマー(17人)など。
報告書はまた、インターネットを活用した「市民ジャーナリスト」にも弾圧が拡大していることに注目。ネット監視を行っている国は37カ国に上り、中国では93のウェブサイトが検閲を受けたと指摘。シリア(162のサイト検閲)、イラン(38のサイト検閲)と並び名指しで批判した。