景気悪化で企業による学生・生徒の採用内定取り消しが相次いでいる問題で、厚生労働省が社名を公表する際の基準案が29日、明らかになった。企業が2年以上続けて取り消したり、同じ年度に10人以上の内定を取り消したりする場合などに悪質と判断し、公表に踏み切る。
来年1月の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会に基準案を提示、同月中に必要な省令などを改正する。
基準はこの2つのほか、事業活動縮小を余儀なくされていることが認められないのに取り消した場合や、学生らに取り消し理由を十分説明しないケース、学生らに就職支援をしていない場合の計5つ。1つでも該当すれば公表する。ただ10人以上の取り消しは、企業が希望する学生の就職支援を行い、就職先を確保した場合は公表対象から外す見通し。
来春の新卒者から対象となるが、厚労省は省令の施行前に取り消した企業にも適用する方向だ。その場合「内定取り消し」を取り消した場合や、学生らの就職先が確保されれば除外する。