【上海29日共同】中国政府は29日までに、景気悪化で販売が低迷している国内自動車メーカーの支援に乗り出した。政府系銀行が輸出支援などの名目で民族系大手の奇瑞汽車への100億元(約1300億円)の融資を決めたほか、中国紙によると、国内メーカーの再編を視野に入れた低利融資や、自動車購入税減免などを盛り込んだ新たな支援策が年明けに実施される見通しだ。
中国の新車販売台数は2006年に米国に次ぐ世界2位となり、07年は879万台で前年比22%増だった。08年は950万台前後とされるが、販売店は数十万台規模の大量在庫を抱えているため、実際の販売台数はこれを大幅に下回るとみられる。
政府系銀行の低利融資は、国内に100以上のメーカーが乱立する業界の再編を促すのが主な狙い。日本や欧米のメーカーとの合弁で経営が比較的安定している第一汽車、上海汽車、東風汽車などの国有大手数社を軸に、吸収合併が進む可能性がある。