【アクラ(ガーナ)29日共同】事実上の無政府状態が続くソマリアからの報道によると、同国暫定政府のユスフ大統領が29日、辞任した。暫定政府が一層弱体化するなど、混乱に拍車が掛かりそうだ。周辺海域で頻発する海賊問題にも影響が出る可能性がある。
AP通信などによると、ユスフ氏は地方都市バイドアで演説し、次期大統領選までの間、国会議長が暫定大統領を務めると述べた。
ユスフ氏は2004年に大統領に就任したが、同国の治安は一向に改善せず、その責任をめぐってフセイン首相と内紛を起こすなど、求心力が著しく低下していた。
さらにソマリアに駐留するエチオピア軍が近く撤退する予定。国際テロ組織アルカイダとのつながりが指摘され、国内で勢力を強めつつある急進的イスラム組織が今後、一層支配を広げる恐れもある。