【ワシントン29日共同】ブッシュ米大統領が2001年10月、中国の江沢民国家主席(当時)と上海で初めて会談した際、中国を「戦略的競争相手」と規定する対中戦略を転換、協力しながら人権面では厳しくやり合う多元的な「3C政策」に切り替える方針を直接伝えていたことが29日、分かった。米政権高官が明らかにした。
CONSTRUCTIVE(建設的)、COOPERATIVE(協調的)、CANDID(率直)の頭文字を取った「3C政策」は来年1月1日に国交樹立30周年を迎える米中関係の基調。当初は中国をライバル視していたブッシュ政権が01年9月の中枢同時テロを受け最高首脳レベルで対中政策を再構築、協力取り付けに動いていた内幕が初めて判明した。
同高官によると、ブッシュ大統領はアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議と並行して上海で開かれた米中首脳会談で「中国とは今後『3C』でやっていく」と江主席に初めて告げた。
米中関係には協調、対立の両側面が併存しており、「3C」は多面的な関係を反映している。