2008年12月29日(月) 14時56分
モー残り2種類だけ、貴重な「在来牛」上野動物園などで展示(読売新聞)
来年の干支(えと)は丑(うし)。東京都台東区の上野動物園で、国内に2種類しかいなくなった在来牛が公開されるなど、牛に関する展示が各地で行われる。
上野動物園で展示されているのは、「口之島牛(くちのしまうし)」(8か月、メス)と「見島牛(みしまうし)」(1歳、オス)の計2頭。
口之島牛は鹿児島県・トカラ列島の口之島で放牧され野生化した牛で体長約1メートルと小さいのが特徴。研究用も含め、国内に約100頭しかいない。
見島牛は、山口県萩市の沖合にある見島に残る牛。同島の農家などで約100頭が飼育されている。
江戸時代まで、日本各地に異なった品種の在来牛がいた。しかし、西洋種との交配が進み、現在、和牛と呼ばれている牛も西洋種との交配種だ。西洋種の影響を受けていない在来牛は、今はこの2種類しか残っていない。
国連食糧農業機関の報告書「世界食料農業動物遺伝資源白書」では、世界の家畜品種約7600種類のうち、日本の在来牛を含む約20%が絶滅に直面していると警告している。将来の気候変動などに対応して品種改良を行う際の遺伝子の資源として、在来家畜を保護するよう求めている。
このため、上野動物園では、昨年秋から、本格的に在来家畜の収集・展示を進めている。「在来牛の存在を知ってもらい、貴重な動物の保護促進につなげたい」と担当者は話す。
埼玉県東松山市の県こども動物自然公園でも、口之島牛(3歳9か月、メス)を公開している。
両園とも年末休み、1月2日から開園。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081229-00000025-yom-sci